こんにちは、札幌市南区にありますときわプロケア歯科クリニック歯科衛生士の弦巻です。
今回はエナメル質形成不全症についてお話させていただきたいと思います。

エナメル質形成不全症とは、歯の表面に虫歯ではない白色や茶色の部分があり、
生まれつきの変色のことをいい、歯の表面のエナメル質が生まれつき上手く作られず、
変色や歯が欠けてしまっているということが見られる状態です。

エナメル質形成不全症について

乳歯・永久歯の両方にも見られてその部分は歯の質がほかのエナメル質に比べると弱くなっています。軽度の場合は限局性の変色があるだけで、重度の場合はエナメル質の表面にくぼみができてしまいエナメル質の大部分が形成されない場合もあります。
エナメル質形成不全症の部分はそこから虫歯になりやすく、虫歯になった場合進行が早いため予防が重要になってきます。

エナメル質形成不全症の原因は全身的要因と局所的要因があって、全身的要因は胎児期の母親の妊娠期に全身的障害(病気、ホルモン異常、ビタミンD不足など)で歯の形成、成長が一時的に阻害されてしまうことによってエナメル質形成不全症になってしまうことがあります。

昔に比べると直接日光に当たるのを避ける女性は多くなってきて、食生活の変化によってビタミンDが含まれている魚類やキノコ類を口にする機会も減ってきています。

こうした背景から母体のビタミンD不足が胎児に影響を及ぼして乳歯のエナメル質形成不全症を引き起こすといわれています。ビタミンDは骨を維持するのにも大切になっています。

ビタミンDは他の栄養素とは違い日光を浴びることによって十分な量を合成することができます。日焼けが気になる方も多いと思いますがビタミンDの合成は手のひらを日光へ当てるだけでも効果は得られます。
(夏場は15分、冬場は30分)全身的要因としては1本だけではなく複数の歯に症状が出てくることがあって多くの場合は左右対称に出てくるといわれています。

局所的要因は乳歯を転んでしまってぶつけてしまうなどの外傷を受けた場合、乳歯の虫歯が大きく長期間化膿状態であった場合、乳歯が抜けてそのあと生えてくる永久歯に影響が出てエナメル質形成不全症が見られることがあります。1、2本に限局して左右対称に見られることは少ないです。エナメル質形成不全症は6歳臼歯、前歯によく発症しやすく、奥歯である6歳臼歯の方が脆く虫歯になりやすいといわれています。6歳臼歯が生えてきたらその先長い人生を使う大切な歯になっているのでご自宅での毎日の適切なブラッシング(ホームケア)を行っていただき、早めに歯科医院受診し、定期的なフッ素塗布をお勧めいたします。この二つで十分に予防可能です。

今回エナメル質形成不全症についてお話させていただきました。お悩みや不安がある場合はいつでもご相談してください!

ときわプロケア歯科クリニック