マイクロスコープ
こんにちは。
札幌市南区にありますときわプロケア歯科クリニック
歯科医師の山本です。
今回は当院で使用しているマイクロスコープについてお話をさせていただきます。
マイクロスコープとは歯科用の顕微鏡のことです。
導入率は国内で5%程と、まだまだ使用されているクリニックは少ないのが現状です。
メーカーによって倍率は異なりますが、当院では高倍率20倍での使用が可能な製品を導入しております。
当院で導入しているマイクロスコープは、カメラで有名なライカが製作しているんです!
主に根管治療(歯の根、神経の治療)の場面で使用しており、
難しい根の治療のケースにおいては、マイクロスコープ・CTは必須の道具になります。
マイクロスコープの特徴は “肉眼レベルで見えないものが、見えるようになること” です。
下図は私たちが普段使用している5,000円札です。
その5,000円札をマイクロスコープを使って拡大すると…
お札の左上に印字されている“5,000”の文字の下に
「NIPPONGINKO」の文字が見えるのがわかりますでしょうか?
マイクロスコープを使用することで、肉眼では見えないような
こんなに細かいところまで鮮明に見ることができます。
根の治療を肉眼のみで行う場合、基本的に中は何も見えません。
小さな暗い穴が複数見えるのみです。では従来はどうしていたのでしょうか?
レントゲン画像・肉眼レベルの情報を参考に、手指感覚や経験則で処置をしてきましたが、
マイクロスコープのおかげで、以下3つの事が可能になりました。
①拡大視野かつ十分な光が入るため、直接歯の内部を見て作業できる
②従来は見過ごされてきた異常所見(歯の破折・複雑な根の奥の部分の汚れや孔)の早期発見ができる
③画像の記録ができる→モニターに映す事で患者様と情報共有ができる
結果、より確実性の高い診断と治療が提供でき、再発リスクの軽減・長期安定性に繋がります。
また自分が今どのような治療を受けているのか、疑問や不安を感じている方も多いため、
③の視覚での情報共有ができるというポイントは非常に画期的です。
デメリットは、マイクロスコープ下での治療はより細かい作業となるため
1回あたりの治療時間が長くなりやすい点です。
歯科医院によっては自由診療でのみ使用しているところもありますが、
当院では保険・自費診療と区分けはしておりません。
必要と判断すれば使用しております。
当院では、マイクロスコープはすべての患者様、症例に用いているわけではなく
歯科医師の判断で必要な場合のみ使用しております。