こんにちは。札幌市南区のときわプロケア歯科クリニック、歯科医師の山本です。

本日は、根の治療時における防湿(ぼうしつ)についてお話させていただきます。お伝えしたい内容はこの3点です。

 

1 防湿はどんな器具であれ、患者さん側は辛いと感じる場合がある。

2 根の治療は唾液が入り込む状態で行うと、治療精度が大きく低下する。防湿配慮が非常に重要。

3 当院では保険診療での根の治療でも、防湿配慮を行っている。

 

 

 

【防湿の実際】

 

防湿とは、

①治療部位に唾液が入らないようにし、細菌感染を防ぐ事

②治療部位の除湿をする事               

を指します。

 

③は主に、接着材料(乾燥状態にする事で、充分な接着力が発揮できる)を使用する際に必要なポイントです。虫歯治療における防湿配慮の目的ですね。

根の治療時での防湿は、①を意味します。

 

では実際にどんな器具を使用して防湿しているのか、見てみましょう。上がラバーダム・下がZOO(ズー)といいます。ラバーダムは薄いゴム製シートで、治療する歯を口腔内から隔離します。

ZOOは唾を吸う機械(バキューム)に接続して使用するチューブ状の物です。唾液と呼気を吸引する事で、乾燥状態を維持します。

 

 

‘防湿’といえばラバーダムが第一選択とされていますが、ZOOもラバーダム使用時と同等の除湿効果があるため、接着材料を使用する際にも、当院では度々登場します。

 

 

 

【防湿は辛い】

 

2者の防湿器具を使用すると、「長時間入れられると息苦しい・口を開け続けるので顎が痛い」と言ったご意見を伺う事があります。(逆に刺激が無さすぎて、寝てしまう方もおられます。)不快感の感じ方は三者三様のため、致し方ありません。

 

このように防湿配慮にはデメリットもあります。

ラバーダムの場合は、

①鼻呼吸ができない又はラテックスアレルギー(ゴムに対するアレルギー)がある方はそもそも使用できない点

②ラバーダムをつけ、外す操作に時間がかかる点(時にラバーダムをつけるために、麻酔が必要)

③ディスポーザブルのため、費用がかかる点(これは医院側の負担になります)

でしょうか。

 

 

 

【治療精度の点から言えば、防湿は間違いなくプラスになる】

 

根の治療の目的は、根の内部にいる細菌数を出来るだけ減らす事ですから、防湿配慮がないまま行う(=唾液が患部に入り込んだまま治療する)といつまでも治りません。根の治療の精度は、防湿に大きく依存します。

 

当院では現在根の治療は全て保険で行っており、複数種の防湿器具の中から患者様に応じて選択・使用しております。

使用時の不快感がありましたら、是非一度スタッフまでご相談ください。可能な限り臨機応変に対応させて頂きます。

 

 

ときわプロケア歯科クリニック