薬の副作用でおこる歯茎の腫れ(薬物性歯肉増殖症)について
こんにちは!
札幌市南区ときわプロケア歯科クリニック、歯科衛生士の遠藤です。
今回は薬の副作用でおこる歯茎の腫れ(薬物性歯肉増殖症)についてお話します。
歯ぐきが腫れる原因としてどのようなことが思い浮かびますか?
歯肉炎?歯周病?ブラッシング時キズつけたとき?やけど?など色々あると思います。
もちろん上記が原因で腫れることはもちろん可能性としてあります。ですが、普段飲んでいるお薬が原因で歯ぐきが腫れてしまうこともあるのです。
これを『薬物性歯肉増殖症』とよびます。
原因となる代表的な薬として
・高血圧や狭心症に広く適応される“カルシウム拮抗薬”(ニフェジピン)
・“抗てんかん薬(フェニトイン)
・“免疫抑制剤”(シクロスポリン)
の3種類があります。
服用期間は人によって個人差ありますが、服用後3か月を経過した頃から歯肉肥大が起こるとされています。
『歯肉増殖症』は歯肉炎や歯周病にともなう歯ぐきの腫れとは異なり、歯ぐきが膨らむ症状で、歯ぐきの表面は硬く弾力のある硬さを示すことが多いです。
膨らみ方も大きく、歯の頭の大部分が隠れてしまう場合もあります。
発症の初期は歯と歯の間の歯ぐきがぷっくり腫れますが、本来の歯肉炎・歯周病とは違い痛みを伴わないのが特徴です。
痛くないことにどんどん放置することで症状が進行し、歯周病が進行し、血や膿が出ることで症状が進行することが多くあります。
しかし、これらの薬を服用した人が皆、腫れる等症状が出るとは限りません。
普段のブラッシングからしっかりとプラークコントロールを徹底することで、これらの薬を服用しても歯ぐきを腫れることを防ぐことができると考えられています。
場合によってはかかりつけ医師と連携し、服用薬を変更・減量していただくこともあるかもしれませんが、難しいことが多いと思います。
そのためにも定期的に歯科受診をしクリーニングを受け歯石除去をすること、定期的にブラッシング指導を受けていただくことが大切です。
改善はしてきても完治しない場合には増殖した歯ぐきを切除することもあります。
歯ぐきが腫れてしまった際なぜ腫れたのか原因を追究する必要があります。
何かお困りのことがありましたら、当院へご連絡ください(^^)/